サンエイのガティコールSS

ガティガムは、高分子乳化安定剤としてアラビアガムより適応範囲が広く、アラビアガムでは乳化が難しい油性物質、特に油溶性ビタミンや不飽和脂肪酸オイルに乳化適性を持つとの結果が得られていて、サプリメントや香料の乳化製剤化や粉末化にご活用頂けます。

ガティガムとは

  • ガティガムは、Anogeissus latifolia Wall.( シクンシ科ガティノキ)の幹の裂傷から分泌される樹液が乾燥固化したもので、別名Indian Gumとも呼ばれています。ガティノキは、主にインド中部の森林に自生し、滑らかな白色の樹皮が特徴的な落葉喬木です。ガティガムの主成分は,アラビノース,ガラクトース,マンノース,キシロース,及びグルクロン酸を構成糖とする水溶性多糖類で、天然には主にCa、Mg、K塩として存在します。また、約3%のタンパク質を含み、アラビアガムと同様に「多糖タンパク質複合体」を形成しています。
  • ガティガムが高分子乳化安定剤として食品工業や製薬工業で用いられるとする文献は、1900年代の中期以降に散見され、天然水溶性ガムの総説論文集である「INDUSTRYAL GUMS 2nd Ed.」(ACADEMIC PRESS)では、「アラビアガムでは乳化が難しい油溶性物質も、ガティガムを用いることで、より安定な乳化が可能である」としています。
  • ガティガムのJECFA規格は1986年に設定され、FCC規格には第3版第3追補(1992年)から収載されました。食添公定書には既存添加物が収載される制度となった第7版(1999年)から収載されています。
JECFA INS No.
419
FDA
21CFR 184.1333 (確認済みGRAS)
CAS No.
9000-28-6

ガティコールSSの特徴

1.広範囲の油性物質に乳化適性があります。
ガティガムは、アラビアガムと比較して、アラビアガムのAGP画分(アラビノガラクタン蛋白質複合体)に相当する成分の含量が高く、また高分子性も高いので、高分子乳化安定剤としては、アラビアガムに比べて乳化適性が広く、また高い乳化安定性が期待できます。
2.「スーパーソルブル タイプ」
当社の「アラビックコールSS」と同様に、「顆粒状、スーパーソルブル タイプ」ですから、速溶性に優れ、ガム液の調製作業が大幅に軽減されます。
3.衛生的でピュアー
製造工程で濾過・殺菌をしていますから、狭雑物を含まず衛生的です。殺菌方法は加熱殺菌で、添加剤等は一切含まない100%ピュアーなガティガムです。
4.ダストフリー
微粉末は殆ど含まれていません。

ガティコールSSの用途

  • 油溶性物質の乳化、及び乳化系のスプレードライによる粉末化
    ・ビタミンE、ビタミンA、DHA、EPA、α-リノレン酸、コエンザイムQ10、ルテイン
    ・油溶性色素
    ・香料〔乳化香料、粉末香料〕

GPCデータと高機能性

〔分子量と蛋白質の分布、アラビアガムとの比較〕

  • 高分子乳化安定剤の機能性に関する検討は、アラビアガムに於いて解明が進んでいます。アラビアガム分子量の第二ピーク(分子量:200万~250万の部分)は、多糖と蛋白質の複合体の形で存在し、このフラクションは「アラビノガラクタン蛋白質複合体(AGP)」と呼ばれています。
  • 乳化系では、アラビアガムのAGPが蛋白質部分をアンカーとして油滴表面に吸着することで、高分子乳化安定剤として機能すると考えられていて(ワトルブラッサムモデル)、「アラビアガムはAGP含量が高いほど高機能である」と考えられています。
  • GPCデータの比較で明らかなように、ガティコールSS(食品添加物 ガティガム)は、アラビアガムのAGPに相当する部分の含有量が高く、GPCデータは、ガティコールSSの「アラビアガムに優る高機能性」をよく説明しています。

粘度データ

乳化特性

  • ガティコールSSとアラビアガムの乳化特性を評価する目的で、オイル/ガム比を大きくし、また比重調整剤不使用で乳化して、両者の機能性を比較しました。

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